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2016年12月12日 (月)

ディープインパクト

普段見ている各種「サッカー」競技の一つが
昨日でシーズンを終えた今日この頃、

今年はこの競技で
(昨年までも見ていたはずだけれど)
ある選手のプレーに衝撃を受けたわけですが、

私のごく限られた観戦経験での常識というか
競技の前提をひっくり返されるような気がした
その選手について今のうちに吐き出しておこう
とツイートを連投しようとしたものの、

あまりに鬱陶く
TL汚しになるので以下にまとめました。

昨日閉幕した今年の東日本リーグの
キャッチコピーは

Bshnl2016_topa

「目隠ししてもサッカーができる男達」。
フレーズの前半部分、そして並んだ選手たちの
顔ぶれには大事な意味があるのだけれど、
今となっては致命的な欠陥コピーだ。
なぜなら、
今年リーグ戦で最も「サッカー」をしていたのは
「男」ではなかったからだ。

「そら」と読む名前の中学2年生は、
この競技で一般的な
インサイドで引き摺るようなドリブルは
ほとんどしない。
競り合いでも、
一見無造作にワンタッチで
離れた所に出したボールに
一瞬で正確に追いつき
相手を抜き去りゴールに迫る。
大き目な足の振りも含め正に「サッカー」だ。

彼女の憧れであり日本代表の中心選手でもある
現所属チームの主将が負傷欠場中
ということもあり、

今季のリーグ戦では獅子奮迅の働き。
異次元のプレーに、
さほど多くはない観客から(歓声はNGだが)
どよめきが起こるのが恒例となった。

協会の期待も大きいらしく、
昨年の日本選手権で得点した際には
史上最年少得点とリリースし、
唯一の女性として参加した
昨年のU23アスリート合宿
今年の女子チームとU18男子の初対戦
スポーツ紙が記事化。
初開催のオールスター「ドリームマッチ」では
2ゴールを挙げMVPに選ばれた。

誤解のないよう断っておくと、
今のところ彼女がこの競技で
パラリンピック等に出場することはない。
パラ種目として採用されているのが
男子だけということもあるが、
そもそも彼女の視覚障害は
国際大会の参加資格である
所謂「全盲」ではないからだ。

ローカルルールにより、国内の大会には
女子選手も多くの所謂晴眼者も
(アイマスクをして)出場している。
競技の普及や
「誰もがともに」という理念の一環であり、
先に挙げた「目隠しして」という今年の
リーグのキャッチコピーもその表れだろう。
それは代表強化とは別に尊いことだ。

協会が彼女に対して
破格の期待を寄せている(ように見える)のも
この点で人の関心を呼び込む魅力があるから
だろう。
たとえそれが
人寄せパンダのように見えようとも
決して蔑まれることではないし、
国際大会に出られないからといって
そのプレーの価値が減殺されるものでもない。

現時点では自身のコンディションや
ピッチの違いによるプレーの波もあり、
見た目ほどの結果を残せているわけではない。
これから経験を積むうちに
よりこの競技「らしい」プレーも増えるだろう。
それでも、
彼女のプレーは既成の競技の枠を
壊してしまうのではないか、
そんな衝撃を受けたのは確かだ。

代表の試合には
御多分に漏れず鬱陶しい要素もあって
正直なところ足が遠退いているが、
国内の試合はこんなに魅力に溢れている。


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